ミックス・コーヒー
 美葉の目から、涙が一滴零れ落ちた。


「ミクリは、いるよ。これからも……ずっと」


 美葉の言葉は、いろいろな意味に取ることが出来るものだった。



 尚樹は自分の指で、美葉の涙を拭った。

 自分の顔の方が、ぐちゃぐちゃだというのに。

 そして、美葉を見つめて、微笑んだ。



「今のは、嘘じゃないね」

 美葉も、尚樹を真似て、少しだけ目を細めた。



「……美葉!……尚樹!!」
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