ミックス・コーヒー
「なんでって、お前が後先考えずこんなの連れてくるから、今、なんかすげえめんどくせえことになってんだぞ!」

「あの時はもう、考えるより先に動いてたからな。でも、あのままだったら、美葉は死んでるか売られてるかのどっちかだぞ」

「そんなこと言うなよ! お前、こんな時だけハッキリ言いやがって」

「これも運命だってさ」

「一人で勝手に悟るな! しかもなんか他人事みたいに言うな!」

 貴之は一頻り声を張り上げた後、大きな息を一つ、つく。

「とにかく、オレは納得しねえ。納得できる理由がねえ」

 じっと表情を変えず貴之を見つめる美葉。
 貴之はそれに気付かないフリをする。

 そして、静かに口を開く。
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