ミックス・コーヒー
   ②

 貴之と美葉が家に着いた頃には、もう夜の8時を回っていた。


 尚樹はまだ戻ってこない。


 貴之は暗い部屋に電気を付け、居間のソファに腰をかけた。

 美葉も、貴之にぴったりとくっついて座る。

 すると、美葉が貴之の手を握った。

「うん?」
 貴之が美葉の方を見ると、相変わらずのキレイな瞳で見つめ返された。

 小さく、彼女の唇が動く。

「こうしてたい。だめ?」

「いいよ」
 貴之には、そう答える以外の選択肢はなかった。
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