ミックス・コーヒー
   ③

 手帳には、あまり書き込みはされていなかった。
 そのため、最初はゆっくりページを捲る美葉だったが、徐々にそのスピードは速くなっていた。

 ふと、彼女の手が止まる。

 書き込みを見つけたようだ。

 貴之が覗く。

「え?」

 その箇所を見た瞬間、貴之は思わずそう漏らしてしまっていた。


<2月10日 3時に茂と、優哉の喫茶店で>


 そこには、崩した字体だが確かにそう書いてあった。

 そしてその下には、その喫茶店の電話番号らしき数字が並んでいた。
< 304 / 366 >

この作品をシェア

pagetop