ミックス・コーヒー
 三人の間に沈黙が流れる。

「……なんで、シゲさんはこのことオレ達に隠してるんだ?」

 シゲから、古亭路誠と知り合いだったなんて、一言も聞いていない。

 貴之の胸の中が、ザワザワと騒ぎ出した。


「ねえ、これ。なんだろう」
 美葉は手帳の<2月13日>の欄を指差していた。

 貴之と沢下が覗くと、そこにはこう書かれてあった。



<証拠、コースター>



「これは、どういう意味ですかね」
 沢下が、険しい顔でその文字を睨んでいる。

 貴之の頭の中で、その二つの単語がぐるぐると回る。
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