ミックス・コーヒー
「アイツを殺すチャンスと、俺に罪がかかりにくい状況。それが、あの時重なった」

「今、思い返せば、川村をオレの喫茶店で問い詰めることを提案したの、シゲさんだったんですよね」



「……そうだ。最初から、川村を殺すつもりだった」



 シゲの言葉、その全てが、貴之の心に重く深く突き刺さり、とても苦しかった。


 そしてシゲは、ぽつり、ぽつりとゆっくり、静かに話し続ける。



「全てが終わったら、自首するつもりだった。だが、どうしてもあの時すぐに捕まるわけにはいかなかったんだ。

……この男を殺すまでは」
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