ミックス・コーヒー
   ④

「アロハ~」
 
<喫茶ひょっこり>のシブい扉を開け、手荷物を持った尚樹がひょっこり現れた。

 三日間の新婚旅行から、昨夜帰ってきたのだ。
 尚樹の後ろから、ミクリもひょっこり顔を出す。

「その感じだといかにもハワイに行ってたっぽいけど、おまえらの旅行先は常夏の<伊豆温泉>だろうが」

「最高だったぜ。はい、お土産の温泉饅頭。一人三個まで」

「おもしれーな、おまえは本当に。もっと奮発しろ!!」

 包み紙を広げ、さっそく饅頭に手をつける美葉。
 やたらとパクパク食べている。

 とりあえず、貴之も一つ口に運ぶ。
 なんだか、異常に美味しいのが印象的な饅頭だった。
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