ミックス・コーヒー
   ②

 休日の午前中というものは、無条件で気持ちの良いもののはずだ。
 しかも、天気だって申し分ない。
 太陽の日差しが眩しいが、暑過ぎもせず、ドライブなんかでもしたら最高なんだろう。

 しかし、貴之の気持ちは、じっとりと曇ったままだった。

 自然に動いている足に身をまかせ、確かに歩いてはいた。が、まるで心と体が離れてしまったみたいだった。

 ぼんやりと、先程のあの女とのやり取りを思い出していた。



「……貴之? どこか行くの?」

 寝巻姿で、美葉が貴之を追って玄関までついてきた。
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