ミックス・コーヒー
 何かあった時のために、と、タウンページも準備した。

 何か、とはいいながらもしっかりと<産婆>のページの上部の隅を小さく三角に折る。


「さて、と」


 正味8分。準備は整った。
 あとは客人(たぶん妊婦)を待つばかり。

 少し、手持ち無沙汰になったので、貴之はテレビをつけた。
 みのもんたが出ている。

「あいつ、こんな朝っぱらからまったくどういうつもりだ」

 非常識にも程がある、と貴之は改めて腹を立てた。

 だが、よく見ると番組は<朝ズバッ!>ではなく<おもいっきりイイテレビ>だった。
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