ミックス・コーヒー
   ④

 家に入ることのできた貴之は、女の後ろに続いて階段を上った。

 そこで不思議な光景を目にした。
 階段を上り終えた所にドアがある。

「この向こうにいるのよ」



 どういうことだ。

 なんで二階の入り口にドアがあるんだろう。
 二階は、一つの大きな部屋なのか。



「……あの子が自由に移動できるのは、このドアの向こうだけ。この先には廊下もあるし、トイレも洗面所もあるわ。そして、あの子の広い部屋もある。まあ、生活には困らないでしょうね」

 貴之は絶句した。
 もちろん、このドアには鍵がかかっているのだろう。



 これは、監禁だ。
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