ミックス・コーヒー
「……結局、何が言いたいんですか?」
 苛立ちを押さえきれず、貴之が女に問う。

「あの子、連れてっていいわよ。ただし、あんた……私と遊んでくれる?」

「はっ?」

 貴之の口から間抜けな声が漏れた。

「あんた、結構タイプなの。かわいくって。ジジイを相手にするのも飽きたし。ホントは私だって若い男の方がいいわ。どう? 良い条件でしょ」


 一体何を言っているんだろう。

 いや、実際、意味はすごくよくわかるのだが……。

 貴之は、理解したくなかった。

「あと一時間もしないうちにあの子のパパが帰ってくるわ。どうするの?」

 悩んでいる暇はなかった。

 とりあえず、今はこの条件を呑むしかない。

「……わかりました。でも、今は時間がないから、今度、ゆっくり……の方が良いですよね?」
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