ミックス・コーヒー
「どうして、家の場所がわかったの?」



 美葉の質問に、貴之達はすぐに答えることができなかった。

「……やっぱり、財布ごと、捨てたのがまずかったかなあ」

 彼らの言葉を待つ前に、再び美葉が口を開いた。

 そして、二人の方を向いて、はっきりと「ごめんね」と言った。



「……おまえは古亭路美葉、でいいんだよな」

「うん」

「古亭路……美鈴の、子供だろ……?」

「……うん」

 貴之と美葉のやり取りを、尚樹は黙って聞いていた。



 涼しく、心地よい風が、吹いた。
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