君が見たいから ~ Extra ~
ソンウォンと唯が出会うきっかけとなった大宝グループと日本電機サービス社との共同開発新製品。
そのお披露目を兼ねたあまりにも盛大すぎる結婚披露セレモニーは、ホテルの大会場で多くの賓客を招いて延々と続いていた。
華やかなシルバーグレーのタキシードを着こなしたソンウォンは、口元に精悍な笑みをたたえて終始堂々と振舞っていた。自分を見つめる目には誇らしさと情愛が溢れている。
グループの威信に満ちた文字通り贅をつくした披露宴だった。
ウェディングドレスの長い裳裾を引いて彼と並んで立っている彼女自身ですら、雰囲気に圧倒され、この場の新婦役が果たして自分に勤まっているのだろうかと、大いに危ぶむ有様だった。
他ならぬ新郎の熱く優しい眼差しがたびたび向けられていなければ、あの緊張感の中で最後まで持ちこたえられたかどうか、今でも自信がない。
ソンウォンの身長よりもよほど高いウェディングケーキのカットを済ませ、舞い散る花吹雪の中をようやく披露宴会場から退席する頃には、多くの目とカメラにさらされ過ぎて、心身ともに疲労困憊状態になっていた。
だがそれでもまだ式は続いている。
今度は外向きではなく、親族だけでやる韓式結婚の儀式が待っていた。