君が見たいから ~ Extra ~


 名前を呼ばれているのに気付き、唯は瞬きして、目の前の義母と娘に目を向けた。

 何をぽんやりしてるの、と咎めるように言われ、慌てて立ち上がる。二階の「セナの部屋」に行こうというのだった。

 「セナの部屋」は、義母が整えてくれた新しい子供部屋だった。

 ショールームからそのまま持ってきたのかと驚いたほど、新しいおもちゃやベビー家具が占めている。ソンジョンの子供も時々入り込んできて、一緒に遊んでいた。

 義母の腕に抱かれたセナを見るたび、この子がいてくれて本当によかった、と思わずにはいられない。


 それでもやはり、あれこれ細かいことまで口出しされれば落ち込んでしまうこともある。

 今日のような日はあまり訪問向きではないわね、などと客観的に考えながら、やっと気分が少し浮上してきた。

 食事をし、手持ち無沙汰にテレビを見て過ごしたあと、車で再び送られて、ようやくマンションに帰ってきた時は、夜の9時も過ぎていた。



 さすがに疲れたらしく、今夜のセナは早々に寝付いてしまった。小さな娘の柔らかな丸い頬にそっとキスし、ベビーベッドに横たえる。

 ふんわりした毛布でそっとくるみ、額にはねた薄茶色の羽毛のような毛先を撫で付けてやると、唯はようやくほっと息をついた。

 娘が起きているときは、元気いっぱいどこでも這い回り、手当たり次第に口に物をいれる時期になっていた。お陰で少しも目が離せない。

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