君が見たいから ~ Extra ~
寝かしつけてしまうと、部屋を見渡しまた小さくため息をついた。
薄いピンクのカーテンのついた優しい色合いの部屋。臨月が近付き、お腹の子供が女の子とわかるや、ソンウォンが腕まくりせんばかりに部屋の改装に着手したのだった。
今、子供が寝息を立てているのはフランス製の洒落た白木のベビーベッド。これからしてそんなに長期間使わないのにもったいない、と思わず彼女が強く抗議したほど値が張る代物だった。
だが彼は、真顔になった唯をちらっと見やると、またすぐ必要になるかもしれないだろ? と言って、涼しい顔で注文してしまった。
その上、ベッドと揃いの家具まで次から次へと買いつけて、趣味のいいアートまでかけられると、あっと言う間にインテリア雑誌のグラビアさながらの子供部屋に変わっていた。
僕らの子供なんだ。これくらいしてやるのは当然だろう? この夫をあまり舐めないように……。
きれいに改装された子供部屋に入った途端、目を丸くした唯に、ソンウォンは半ばあきれたように、彼女の額に額をこつんと当てて笑いかける。
そのときはもう笑い返すしかなかったけれど、やはり全然基準が違うと密かに舌を巻いたものだ。
こんなとびきりのパパやお祖母様を持てて、あなたは本当に幸せね、セナちゃん……。
しみじみと娘の寝顔に語りかけてから、照明を落とす。