君が見たいから ~ Extra ~

『それで? いったい何を考えたんだ? 僕とテーファが一緒に帰ってきたから逃げようとしたのか? また何を想像したんだ? ん?』

『お、怒らないでよ。だって……、出張でかなり遅くなるって聞いてたのにまだ10時前だし、いきなりテーファさんの車から降りてくるし……。びっくりしたんだもの』

『……ったく。こっちが君を心配してたまに早く帰ってみれば、これだからな』


 呟きと共にやれやれ、とまた大きなため息が聞こえた。

 え? と再び顔をあげた唯に、彼がすかさず畳みかける。


『今朝の君があんまり元気がなかったから、一日中気にかかって仕方なかったんだぞ! それで会議も結論を詰めるのは次回にして、そこそこで切り上げたんだ。予定を変更して、どうしても7時の飛行機に間に合うようにしたかったのさ……。さらに言わせてもらえれば、テーファはもともとその飛行機で帰る予定だった。だから同じ便でソウルに戻ってきたんだ。僕の車は大宝ビルの駐車場の中だからね。タクシーでと思ったが、彼女が送ってくれるというから、それに甘えた。以上、説明終わり! これでしっかり了解してもらえたかい、セナ・オンマ?』


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*(注) セナオンマ = セナのママ、と言う意味。
            子供のいる女性を呼ぶ時によく使う。

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