君が見たいから ~ Extra ~
もちろん今の彼女に無理は禁物だ。
それでも抱き合いながら、痛みが伴うほどの激しい歓びを分かち合う方法はいくらでもあった。
枕の上に乱れてかかる黒髪。汗ばんだ白いうなじを逸らして僕の下で小刻みに震えながら、感じ高まり達していくその刹那、普段凛とした彼女が見せる紅潮し今にもとろけそうな女の素顔。
目にするたび、僕自身もなお一層焼け付くような熱と力を帯びる。
一切の始まりから僕を虜にしたその表情を飽きることなく眺めながら、滑らかな深淵に包まれたまま、いつまでもその中に溺れていたいと心から思う……。
日々は文字通り満ち足りていた。
我が子を宿した彼女のお腹が大きくなっていくことに、これほど深い感動が伴うことも全く知らなかった。
あまり口にはしなかったが、彼女がさらに綺麗になっていくようで、少しまぶしかったほどだ。経過はしごく順調だった。
やがて本格的に企画が始まると、大韓化成工業の本社に出向く機会も増えてくる。
会議の後、キム社長からテーファの近況を耳にした。
彼女は最近、あるパーティで知り合った政治家の御曹司と付き合い始めたそうだ。
結果的に彼女の時間を無駄にさせたことが悔やまれていたから、これを聞いて胸を撫で下ろした。
テーファにも幸せになって欲しいと願っている。