君が見たいから ~ Extra ~
気がつくと深々と安堵の息を吐いていた。
きれいに洗われて、目の前に連れてこられたのは、丸まった手足を精一杯振り上げて泣き喚いている、くしゃくしゃの顔をした本当に小さな赤ん坊だった。
ほんの小さな身体のどこからこんな声が出るのかと思うほど、元気な大声を張り上げている。
その姿を一目見るなり、こみ上げてきた感動に胸が詰まった。手渡された泣き喚く赤ん坊をおっかなびっくり抱き取った。
熱くて力なく、そしてひどく頼りない身体を落としてはいけないと、柄にもなく大層緊張する。
お袋がいそいそと付いて、赤ん坊が新生児室に連れて行かれた後も、しばらくその場にじっと立ち尽くしていた。
このぬくもりは、一生手の平に残るだろうと思った。