君が見たいから ~ Extra ~
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家族水入らずで過ごす休日の午後ほど、貴重なものはない……。
普段、朝から夜遅くまで仕事に忙殺されている夫を持つ妻にとり、それは何よりかけがえのないひとときだ。
もっとも、そんな主張をしても、ユ家の男達にかかれば笑い飛ばされるだけかもしれないけれど……。
*** *** ***
まだ舌はよく回らないながらも、片言の口数だけは増えた小さな娘、セナが、音楽にあわせてぽっちゃりした手を懸命に動かし、覚えたてのダンスを披露していた。
今日は珍しく大好きなパパが家に居るせいか、いつもより数段はしゃいで張り切っている。
一生懸命くるくる回って、どうにかフィニッシュを決めると、ソンウォンが笑いながら惜しみなく拍手を送った。
『セナ、お前うまくなったじゃないか。いつの間に、そんなのできるようになったんだ?』
大げさな声を上げて『おいで』と両腕を広げて娘を呼ぶ。
セナが『アッパー!』(パパ)と言いながら飛びつくと、二人は一緒にラグに転がった。
夫の笑い声が、娘の笑い声に重なって、広いリビングに明るく響いている。