meet again~再会~
原西の顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。

原西の涙を見た俺は思った。


自分の思いを伝えるのは今しかない、と。

「お前やから…お前やから言えへんかった…」

「…えっ…?」


「俺、お前のこと好きやねん。ずっと好きやった。せやから…東京行くこと、お前にだけ言えへんかった」

俺の突然の告白に、原西の涙は止まった。

「俺なんかに…いや、これから大阪を離れて行くヤツにこんなこと言われても、嬉しないと思う。せやけど、俺はお前が好きなんや…。返事、聞かせて欲しい」

「………」

原西は黙ったまま俯いている。

「原西…?」

「私…私っ!」

原西が何か言いかけた、その時だ。

「おーい、高井~!」


タイミング良く(?)同じクラスのヤツらがやって来てしまった。

「あ…ごっ、ごめんなさい!」

「あっ、原西!」

原西は急に立ち上がり、クラスのヤツらの横をすり抜け、中庭から出て行ってしまった。

俺は、原西が出て行った先を、ただ呆然と見つめていた。

そして翌日。俺は原西の返事を聞くことなく、大阪を出て行った。

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