meet again~再会~
忘れるはずがない。


俺はこの場所で、人生初のしたんだから…。

「あの時はごめんね…。返事もしないまま帰っちゃって…」
原西は再び俯いた。


『返事もしないまま』


そう言われて、俺はふっと思った。

そうだ。

原西は、ちゃんと返事した訳じゃない。

と言うことは、俺はまだ完全に失恋した訳じゃないんだ。


「本当は、次の日に返事するつもりやったんやけど、どうしても行けなくなって…」

「原西、あのさ…」

原西が言い終わってすぐ俺は言った。

「ん…?」

俺は少し間をおき、深呼吸をして言った。

「あの時の返事、今くれへんかな…?」
「えっ…?」


「はっきりゆーて、2年前と今の俺の気持ちは、全く変わってへんよ。今度こそお前の返事が欲しい」


YESでもNOでもいい。

ただ、今ここで原西の口から返事が聞きたい。

それだけのことなんだ。

「………」


「原西…?」


俺は原西の顔を覗き込んだ。


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