meet again~再会~
学校を出て、ふと時計を見ると、時計ね針は午後5時を指していた。


(そろっと帰らなアカンな…)


そう思った俺は原西に言った。

「せっかくやし、俺んちで夕飯食っていかへんか?」


………


返事がない。



不思議に思った俺は「なっ、原西?」と言って振り向いた。


しかし、そこに原西の姿はなかった。


「原西?」


辺りを見回しても、原西の姿はどこにもない。


「夢…やったのか…?」


なぜか俺はそう呟いた。


夢?まさか…。

いや、そうかもしれない。

さっきまで一緒にいたはずの原西がいなくなるなんて、絶対におかしい。


中庭からこの正門まで他に道はないから、途中で迷うことなんて有り得ない。


でも、夢にしては、あまりにもリアル過ぎる夢だった。


原西の温もりも、唇の感触も、全て俺の身体に残っている。

俺は、頭の中がごちゃごちゃになり、何が何だかわからなくなっていた。


その時だ。


「あれっ?高…井くん…?」


< 15 / 20 >

この作品をシェア

pagetop