meet again~再会~
―原西楓花―


病室のドアに貼ってある名札を見て、俺は現実に引き戻される。


これは夢なんかじゃない。


紛れもない現実なんだ。


自分にそう言い聞かせ、ドアノブに手をそっとかけた。


「あの…」

突然後ろから声をかけられ、俺はドアノブから手を離し、声のした方に振り返ってみると、そこには中年の女性が立っていた。



「どちら様ですか?」


俺は慌てて答える。


「俺…あ、いや、僕、楓花さんの中学の時のクラスメートの…」


俺が名前を言おうとすると、その女性は、

「もしかして…高井さん?」

と言った。


「あなた、高井俊さんでしょう?」


何でこの人、俺のこと知ってるんやろ…?

初対面のはずやのに…。


「はい、そうですけど…あなたは…?」

「私、楓花の母です」

原西のお母さんは、俺に頭を下げた。


俺も慌てて頭を下げる。

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