meet again~再会~
俺は、病室を出て行く原西のお母さんに軽く頭を下げ、紙袋に入っていた手紙を、静かに開いた。





『高井くんへ


昨日は言えなかっ たけど、
私も高井くんが大 好きです。
高井くんのこと、 ずっと待ってるか らね。
東京へ行ってもが んばってね。

楓花より』


俺は手紙を閉じ、原西の頬に触れた。


さっきと同じ、原西の温もりが伝わってくる。

やっぱり、さっきのは夢でもなんでもなかったんだ。

原西の寝顔を見て、そう確信した。


『ずっと待ってたんだよ…?』


あの言葉の意味が、今やっとわかったような気がした。

原西が、なぜ俺の前に現れたのか。

それもわかったような気がした。


そして、俺は失恋したのではなく、見えないところでちゃんと恋愛をしついたということに気付くことができた。


「今度は俺が待つ番やな…」


俺は原西の手を握りしめ、静かに笑いかけた。



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