meet again~再会~
「なんや、急に」

「中庭やったら入れるんとちゃう?確か、校舎裏から行けたはずやん?」


「ああ、そういえば…」

「じゃ、中庭に行こ!」

「あ、おいっ!?」


言い終わるや否や、原西は俺の腕を掴んで走り出した。


この強引なところも、2年前と全然変わっていない。

「うわぁ、懐かしい!」

中庭に着くと、原西は少しはしゃぎながらベンチに座った。

「ほんまやな…」

俺は相づちを打ちながら、原西の隣に座った。


中庭、か…。

ここは、俺の中学校生活でなくてはならない、大切な場所だった。


この中庭で友達になったヤツは何人いるだろう?

授業をサボって、居眠りしに来てたこともあったな。

そして…初めての失恋を経験したのも、この中庭だった。


良い思い出も、嫌な思い出も全部この中庭に残っている。


「いい天気だね」

原西に言われ、俺は空を見上げた。

綺麗な青空が広がっている。

「ああ…そうだな」


太陽が眩しくて、俺は目を瞑った。

本当にいい天気だ。

…そういえば、2年前のあの日もこんないい天気だったな…。



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