Sky*Girl



今は、何も感じない。
何も見えない。
只、逃げ出すだけの私。


空に手をかざす。
そして、静かに先生へと視線を戻す。



「先生……、空は青いです」



−−−今日も澄んでいる。



先生は、私の声に応えるかのように上を見上げた。



「ああ…そうだな」



いつの間にか隣にいる先生。
上を見上げる目は、青い。

私の目は、空の美しい青色が映し出されていない。



「−−−…私、も……かったな…。
さあ先生、そろそろ行きましょう」



私は、また歩き出す。
私の歩幅を合わせるように、先生は前で歩いている。



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