【密フェチ】夏の少女は夢の淵で微笑む
少女は青年を真っ直ぐ見詰めるだけで、その場を動こうとはしなかった。その視線は青年の心を鷲掴みにする、しなやかな肉食獣を思わせた。

「――こ…こんにちは…」

青年は噴き出る汗を拭う事無く、彼女の呪縛から逃れる様に必死で声を絞り出す。激しい夏の日差しは青年の思考力を容赦無く奪って行き、酷く莫迦げた言葉で有る筈なのに、その事を気付かせてくれない。
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