ヴァンタン
屋根裏部屋のトップライトからの月の光が、徐々に魔法の鏡を照らし出していた。

当たり前の事だけど、私は鏡をそのままにしていた。

そうしないと、戻れる事が出来なくなるからだった。


でもその日は満月だった。

偶然か……
必然か……

いやきっと初めから仕組まれていたのだった。


満月で変化する狼男。
そのとてつもないバイタリティ。

それはまさに魔の仕業だと言っても過言ではない。

そんな月の力。

それが魔法の鏡を支配しようとしていた。


月の光……

満月の光には……

とてつもないパワーが秘められてはいたのだった。




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