ヴァンタン
そして遂に……

魔法の鏡に亀裂が入り、徐々に広がる。

まさにムーンライトビームのパワーだった。


それは月の光を更に増幅させる。
そう、まるでプリズムのように……


その時。
合わせ鏡がコラボした。

満月の光が三角形の頂点を表すかのように、魔法の鏡を操舵室の窓ガラスに映し出したのだった。


「ゲッ!?」
パパがイヤな音を出した。


「何パパ?」
私はパパを見詰めた。

パパは操舵室の窓を指差していた。


「鏡が……魔法の鏡がヒビ割れてる……」
驚きの声を上げた私。
訳が解らずボーっとしていた。


「帰る場所がなくなる!」

私はパパの一言で、やっと事の重大性に気が付いた。




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