ヴァンタン
  「どうしたの? いきなり気持ち悪いわねー」
母はさっきまでと違って、優しく微笑んでいた。


母は何時も私を見守ってくれていた。
だから私はパパの事を思い出さなかったのだろう。


「ありがとうママ」
私は濡れたタオルで涙を拭いた。

久しぶりにママと呼んでみた。
甘えん坊だった子供の頃に戻りたくて……




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