ヴァンタン
小さな私と大きな私。


――正に運命の出会いだ。

そう思いながらも言えなかった。

私が未来から来た、十年後のあなただって言う事を。


この時居なくなったパパは二十歳前夜までは帰って来ない。
そんな事言える筈もない。


でも何故私はパパを忘れていたのだろう?

あの鏡の魔法なのだろう。
それ以外考えられない。

あんなに大好きだったパパを、今の今まで忘れていたなんて。


チビを見て、パパがどんなに大好きだったかを思い出すなんて……

なんて罪作りな娘だったのだろう。
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