ヴァンタン
手を伸ばせばその船に乗れる。
そう思っていた。


ところが、甲板に上がれる物は何もなかった。


――もう助からない!
そう思った瞬間。
船の側面にロープに繋がれたゴンドラのような物が揺れているのを見た。


両端をロープて括った、一言で言うと大きなブランコみたいな物だった。




――助かった。これはきっと荷物の上げ下げに使うとね。


――良く考えてあるな。

私は関心しながら、まずチビをそのうえに乗せた。

現実だと認識していないせいか、何でも出来た。

ウンテイや棒登りはは苦手だった。

それでも必死に上を目指した。




良くビル掃除の時に使われるゴンドラ。

其処に置いたチビが上がって来る。

でもチビはまだ眠っていた。




知らなかった。
お・ね・え・さんがこんなに苦労をしていたなんて。
私はただ眠っていただけだった……
お・ね・え・さんに守られて……
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