ヴァンタン
私の傍で無防備に眠りこけるチビ。

胸がキューンとした。


何も知らず、又知らされずに……

パパの存在した事さえ忘れていた日々をこれから生きるチビ。

その哀しみを心の奥にしまい、私は再び立ち上がろうとしていた。




パパのフランス土産のリボンが、チビのポニーテールに揺れていた。

私はチビのリボンを外して自分のポニーテールに結んだ。
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