ヴァンタン
大型客船の甲板はとてつもなく広かった。

きっと此処で甲羅干しなどして居たのだろう。


プールもあるのも存在するらしい。
パパは何時か、そんな船の船長になりたいと言っていた。


でも私はイヤだ。
もっとパパに会えなくなるから。

だって大好きなパパとこれ以上離れたくなかったから。


優雅にクルージングを楽しむ為の豪華客船。

その船長で充分だ。
私の誇りだったパパ。


――パパー。


――今まで忘れていてゴメンね。




< 87 / 198 >

この作品をシェア

pagetop