マリッジリング



「ダブルで」



わたしはグラスにズブロッカを満たし、彼の横に席を移した。



「隣り、いいかしら?」


「えっ? あぁ、構いませんよ」



彼はそう言いながらグラスから手を離すと、左手をぎこちなく握りしめた。
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