モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
気付かれない様にじっと
見ていると、凍夜がページを
めくる合間にティーカップを
口に運んだ。
なんとなく、その口もとを
見つめて、口移しでご飯を
食べさせられたことを思い出す。
アレをキスとカウントするなら、
姫乃にとってはファーストキスだった。
姫乃はそもそも、小さい頃に
変な女の子だと同世代の男の子に
意地悪されることが多かった為、
歳の近い男が好きではない。
その上、地主に輿入れをすると
決まった時点で、恋愛や乙女の
憧れなんて無縁のものと割り切った。
それなのにあんな色気のない
キスでも、相手が若くて
カッコいい男の人だと思うと、
ついときめいてしまうのは
姫乃にも年頃の女の子らしさが
残っていたということだろう。
見ていると、凍夜がページを
めくる合間にティーカップを
口に運んだ。
なんとなく、その口もとを
見つめて、口移しでご飯を
食べさせられたことを思い出す。
アレをキスとカウントするなら、
姫乃にとってはファーストキスだった。
姫乃はそもそも、小さい頃に
変な女の子だと同世代の男の子に
意地悪されることが多かった為、
歳の近い男が好きではない。
その上、地主に輿入れをすると
決まった時点で、恋愛や乙女の
憧れなんて無縁のものと割り切った。
それなのにあんな色気のない
キスでも、相手が若くて
カッコいい男の人だと思うと、
ついときめいてしまうのは
姫乃にも年頃の女の子らしさが
残っていたということだろう。