モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
とりあえず無事なところまで
戻して、気合いを入れて
編みなおそうとした姫乃に
凍夜が問いかけた。
「…何の音?」
あまりに唐突だったので、
心臓が飛び出るかと思うほど
驚いた。
「え?…ああ、たぶん、
ズグットの鳴き声じゃないかしら。」
何とか冷静を装って答え、
耳を澄ます。
「ズグット?」
「このあたりに生息してる鳥よ。」
「…すごい騒音だね。」
「そうね。…たぶん一羽だわ。
群れだと騒がしさも音量も
この比じゃないわよ。
あ、でも、代わりにお肉は
すごくおいしくて、人気があるの。」
「へぇ、食べたことあるの。」
「小さい時に何度か。捌くのを
手伝ったこともあるし。
何一つ無駄にならない鳥で
本当においしいんだけど、
捕まえるのが難しいんですって。
すばしっこいし、滅多に
低いところを飛んだり
止まったりしないから。」
「ふうん。」
大人しく姫乃の話を聞いていた
凍夜が突然立ち上がり
ドアの方へむかっていく。
「え、どこ行くの?」
「読書の邪魔だから、
黙らせてくる。」
不愉快そうにそういって、
凍夜は部屋から出て行ってしまった。
戻して、気合いを入れて
編みなおそうとした姫乃に
凍夜が問いかけた。
「…何の音?」
あまりに唐突だったので、
心臓が飛び出るかと思うほど
驚いた。
「え?…ああ、たぶん、
ズグットの鳴き声じゃないかしら。」
何とか冷静を装って答え、
耳を澄ます。
「ズグット?」
「このあたりに生息してる鳥よ。」
「…すごい騒音だね。」
「そうね。…たぶん一羽だわ。
群れだと騒がしさも音量も
この比じゃないわよ。
あ、でも、代わりにお肉は
すごくおいしくて、人気があるの。」
「へぇ、食べたことあるの。」
「小さい時に何度か。捌くのを
手伝ったこともあるし。
何一つ無駄にならない鳥で
本当においしいんだけど、
捕まえるのが難しいんですって。
すばしっこいし、滅多に
低いところを飛んだり
止まったりしないから。」
「ふうん。」
大人しく姫乃の話を聞いていた
凍夜が突然立ち上がり
ドアの方へむかっていく。
「え、どこ行くの?」
「読書の邪魔だから、
黙らせてくる。」
不愉快そうにそういって、
凍夜は部屋から出て行ってしまった。