モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「何の用です?…何ですか、
その羽のついた毛玉は。」

怪訝そうにノークスが
問いかける。

「ズグットっていう鳥よ。」

そういうと、姫乃は天明に
用意させた道具の中から、
小ぶりな斧を取り出した。

そのまま両手で頭上に持ち上げ、
勢いをつけズグットに向かって
振り下ろす。


『…。』


何食わぬ顔で首と胴の離れた
ズグットを捌き始めた姫乃の姿を、
二人は言葉もなく見つめ続けた。

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