モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…僕はいりません。」
「美味しいのに。」
もともと、生肉は
好きじゃない上に
あんなものを目の前で
見せられては、食欲など
微塵もわかない。
「…キミ、人には食わず
嫌いだなんだと文句を
つけるくせに、自分は
食べないで済ますつもり。」
「僕はキミと違って
繊細なんです。
それに、そういう嫌味は、
一度でもソラマメを
食べてから言ってください。」
軽口を返して凍夜を見れば、
凍夜は手づかみで躊躇なく
ズグットの生肉を口に入れた。
「…。美味しいね。
初めて食べる味だ。」
「でしょう!?
わたしも小さい頃
すごくびっくりしたのよ!」
「もう、鶏肉の味じゃないね。
でも美味い。」
「でしょでしょ!」
珍しく絶賛する凍夜と、
嬉々として相槌を打つ
姫乃を見ていると、
ほんの少しだけ、
食べてみたいような
気になってくる。
「美味しいのに。」
もともと、生肉は
好きじゃない上に
あんなものを目の前で
見せられては、食欲など
微塵もわかない。
「…キミ、人には食わず
嫌いだなんだと文句を
つけるくせに、自分は
食べないで済ますつもり。」
「僕はキミと違って
繊細なんです。
それに、そういう嫌味は、
一度でもソラマメを
食べてから言ってください。」
軽口を返して凍夜を見れば、
凍夜は手づかみで躊躇なく
ズグットの生肉を口に入れた。
「…。美味しいね。
初めて食べる味だ。」
「でしょう!?
わたしも小さい頃
すごくびっくりしたのよ!」
「もう、鶏肉の味じゃないね。
でも美味い。」
「でしょでしょ!」
珍しく絶賛する凍夜と、
嬉々として相槌を打つ
姫乃を見ていると、
ほんの少しだけ、
食べてみたいような
気になってくる。