モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
二人が不思議に思って
見ていると凍夜が、
軽くかがんで姫乃に顔を
近づけた。
「…?」
不思議そうに見つめる
姫乃の目の前で、凍夜は
口をあけ、そのまま動かない。
『…。』
しばらくそのまま、
全員が固まっていたが、
やがて姫乃が、本当に
なんとなく、といった様子で、
手に持っていた刺身を
凍夜の口の中に入れた。
入れられた刺身を、
満足そうな様子で
食べた凍夜は、
すぐに一言つぶやく。
「もうひとくち。」
そういって、また
雛鳥のように口をあける。
百年以上も生きてきて
初めて見た、実母にさえ
したこのとのない凍夜の
その行動に、ノークスは
こらえきれずに吹き出した。
見ていると凍夜が、
軽くかがんで姫乃に顔を
近づけた。
「…?」
不思議そうに見つめる
姫乃の目の前で、凍夜は
口をあけ、そのまま動かない。
『…。』
しばらくそのまま、
全員が固まっていたが、
やがて姫乃が、本当に
なんとなく、といった様子で、
手に持っていた刺身を
凍夜の口の中に入れた。
入れられた刺身を、
満足そうな様子で
食べた凍夜は、
すぐに一言つぶやく。
「もうひとくち。」
そういって、また
雛鳥のように口をあける。
百年以上も生きてきて
初めて見た、実母にさえ
したこのとのない凍夜の
その行動に、ノークスは
こらえきれずに吹き出した。