モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「お嬢様。申し訳ありませんが、
それは無理です。」
「…どうして?」
「確かに、庭の一角に
小さな礼拝堂はございます。
ですが、マスターたちが
この城に住み着いたころから、
礼拝堂には鍵がかかっていて、
何をしても中に入ることが
できないのです。」
「あら、そうなの?」
残念そうに東雲の話に相槌を
打ちながら、姫乃は思惑に
気付かれないよう慎重にふるまう。
この城には、頑丈な鍵が
かかっていて誰一人入れない
部屋がいくつかある。
そして、礼拝堂もそんな部屋の
一つであることを、姫乃は
知っている。
「じゃあ、悪いんだけど、
わたしが住んでいた村に、
小さな教会があるから、
そこまで行って供えて
きてもらえないかしら。」
「…できません。」
「どうして?」
「我々は、マスターと
違って、教会や礼拝堂に
入れません。」
「…そういえば、
そうだったわね。」
もちろん、これも凍夜に
聞いて知っているし、
忘れてはいない。
それは無理です。」
「…どうして?」
「確かに、庭の一角に
小さな礼拝堂はございます。
ですが、マスターたちが
この城に住み着いたころから、
礼拝堂には鍵がかかっていて、
何をしても中に入ることが
できないのです。」
「あら、そうなの?」
残念そうに東雲の話に相槌を
打ちながら、姫乃は思惑に
気付かれないよう慎重にふるまう。
この城には、頑丈な鍵が
かかっていて誰一人入れない
部屋がいくつかある。
そして、礼拝堂もそんな部屋の
一つであることを、姫乃は
知っている。
「じゃあ、悪いんだけど、
わたしが住んでいた村に、
小さな教会があるから、
そこまで行って供えて
きてもらえないかしら。」
「…できません。」
「どうして?」
「我々は、マスターと
違って、教会や礼拝堂に
入れません。」
「…そういえば、
そうだったわね。」
もちろん、これも凍夜に
聞いて知っているし、
忘れてはいない。