モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
軽く話しながら、二人は
人目を避けるように
村の中を移動する。

もともと、村民の少ない
村らしいので、そうそう
人に会うこともないのだが。

「この村に姫乃が住んでたの。」

においを辿りながら、
凍夜が尋ねた。

「おや、珍しいですね。
あなたが他人の過去に
興味を持つなんて。」

「何。何か悪いの。」

「いいえ。そうですよ、
この村で彼女を見つけました。
…もっとも、彼女の
住んでいる場所は、
この村の奥にある
森の中らしいのですが。」
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