モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
姫乃はそう信心深い方では
ないのだが、妹がお祈りを
したい、というので
毎日一緒に来ていた。
ここにこなくなって
半月しか経っていないのに、
毎日足を運んだ場所と
なると懐かしい。
祭壇にバード・パレットと
唐揚げを置く。
少しの間黙祷を捧げ、
ちらりと壁に掛けられた
時計を見ると、いつもなら
沙羅と一緒にお祈りに
きている時間だった。
この時間なら、沙羅が
いるかもしれないと
思ったのに。
そう思って、小さい頃の
トラウマで火を使えない
沙羅のために、ここへ
来る前に急いでズグットの
肉を揚げてきた。
もしかすると、体調を
崩して家で寝ているのだろうか。
そう思うといてもたっても
いられなくなって、
たった今供えた唐揚げの
包みを再び脇に抱えると、
姫乃は音を立てずに足早に
教会の裏口から出て行った。
ないのだが、妹がお祈りを
したい、というので
毎日一緒に来ていた。
ここにこなくなって
半月しか経っていないのに、
毎日足を運んだ場所と
なると懐かしい。
祭壇にバード・パレットと
唐揚げを置く。
少しの間黙祷を捧げ、
ちらりと壁に掛けられた
時計を見ると、いつもなら
沙羅と一緒にお祈りに
きている時間だった。
この時間なら、沙羅が
いるかもしれないと
思ったのに。
そう思って、小さい頃の
トラウマで火を使えない
沙羅のために、ここへ
来る前に急いでズグットの
肉を揚げてきた。
もしかすると、体調を
崩して家で寝ているのだろうか。
そう思うといてもたっても
いられなくなって、
たった今供えた唐揚げの
包みを再び脇に抱えると、
姫乃は音を立てずに足早に
教会の裏口から出て行った。