モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…趣旨替えですか。」

凍夜の珍しい態度が
気になって、そう、
軽口をたたいてみる。

「…目の色。」

「目?」

「姫乃と、同じに見える。」

あぁ。

凍夜の言葉で、
引っかかっていたものが
腑に落ちた。

あの、深い海を思わせる色。

確かに見覚えがある。

姫乃の、瞳の色だ。

…ノークスを陥れた
あの女と姫乃の、唯一の違い。

「…確かに。」

そう答えようとした
ノークスの声が、
聞きなれた少女の声で
かき消された。
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