モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…?」

近づいてみると、それは
二人のおとなのようだった。

一人は道に横たわり、
もう一人はその人の
横でしゃがみこんでいる。

沙羅が教会から二人に
近づくまで、けっこう
時間があったのに、
二人はその体制から
ほとんど動かなかった。


具合でも、悪いのかしら。


そう思って、沙羅は
しゃがみこんでいる人に
声をかけた。

「…あの、どうかしたんですか?」

具合が悪いなら、村の
大人に声をかけてきます。

そう言おうとする前に、
声をかけた相手が
こちらを向いた。
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