モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

「っっっ!!」



どうにか逃げようと身を
よじるが、腕をつかむ力は
強く、離れてくれない。

ぐびっ、と、飲み込むような
音が聞こえて身をよじり
ながら相手を見ると、
その口に入っていた
モノがなくなっている。



そうして自由になったその口は、
腕の拘束と恐怖で動けない
沙羅の頭部をめがけて
大きく開かれた。
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