モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
四章
探し物―姫乃
姫乃がモントリヒト城に
連れてこられた頃はまだ
夏の始まりだったのに、
いつの間にか秋の色が
あちらこちらに見え
始めていた。
モントリヒト城を囲む木々の
色彩が、ほんのりと緑から
赤に変わるはじめるこの季節は、
庭園の散策がとても気持ちいい。
凍夜が一緒のときなら
庭の散策を許されるように
なった姫乃は、紳士淑女らしく
手をひかれて広大な庭園を
歩く時間がとても好きだ。
凍夜は見た目よりずっと
長く生きていて、本を
読むのが好きなものだから、
この世に生をうけて
18年しか経っていない
姫乃の知識は足元にも
及ばない。
それでも、自然に関しては、
凍夜より姫乃の方が詳しく、
ことモントリヒト城の
庭園散策においては
姫乃が講釈をたれる
絶好の機会だった。
凍夜も、姫乃の講釈を
嫌がるでもなく、まじめに
聞いては興味深げに
聞き返してくれるので、
姫乃はますますうれしくなる。
連れてこられた頃はまだ
夏の始まりだったのに、
いつの間にか秋の色が
あちらこちらに見え
始めていた。
モントリヒト城を囲む木々の
色彩が、ほんのりと緑から
赤に変わるはじめるこの季節は、
庭園の散策がとても気持ちいい。
凍夜が一緒のときなら
庭の散策を許されるように
なった姫乃は、紳士淑女らしく
手をひかれて広大な庭園を
歩く時間がとても好きだ。
凍夜は見た目よりずっと
長く生きていて、本を
読むのが好きなものだから、
この世に生をうけて
18年しか経っていない
姫乃の知識は足元にも
及ばない。
それでも、自然に関しては、
凍夜より姫乃の方が詳しく、
ことモントリヒト城の
庭園散策においては
姫乃が講釈をたれる
絶好の機会だった。
凍夜も、姫乃の講釈を
嫌がるでもなく、まじめに
聞いては興味深げに
聞き返してくれるので、
姫乃はますますうれしくなる。