モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
今日も、すっかり日課となった
凍夜との散策を終えて、
二人で昼食を済ませた。

午後は凍夜の昼寝が
終わり次第、彼の部屋で
読書やチェスやパズルをして
過ごすので、姫乃が一人に
なる時間はこの一時間程度と
夕食後、寝室に戻って
休むときぐらいだ。

凍夜の部屋のドアを開けて
彼が昼寝をしているのを
確認すると、姫乃は午後の
ティータイム用にと
東雲と天明に手の込んだ
おやつを選んで注文を付けた。

最近の彼らは姫乃の見張りを
きつく命じられている
はずなのに、この一時間だけ
姫乃が頼みごとをすると
姫乃から目を離す。

もちろん、姫乃にとっては
好都合だし、もしバレて
怒られたらかわいそうなので
告げ口したりする気はない。
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