モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
そうしてちょっとした
準備を終えると、姫乃は
2階の一角にある植木を
どけて、狭いくぼみに
入っていく。
普段2階はノークスの
寝室があるため近寄り
づらいのだが、彼は
今日も出かけているので、
姫乃は堂々と動き回る
ことができた。
このくぼみは、通路から
見ると人ひとりがどうにか
おさまる程度のただの
くぼみにしか見えない。
しかし、こうしてくぼみに
身を隠して初めて、
奥側面が通路になって
いることがわかるのだ。
狭い通路を進むと、
視界が開けて滅多に
人目に触れることの
ない部屋のドアの前にでた。
ここが、姫乃の目的地だ。
古そうな壊れかけた
いくつものくもの巣が、
この扉が何年も開けられて
いないだろうことを知らせる。
それを見ると、姫乃は
悔しくてならない。
このことを知っていれば、
姫乃は地主の愛人となる
決心などする必要が
なかったのに。
準備を終えると、姫乃は
2階の一角にある植木を
どけて、狭いくぼみに
入っていく。
普段2階はノークスの
寝室があるため近寄り
づらいのだが、彼は
今日も出かけているので、
姫乃は堂々と動き回る
ことができた。
このくぼみは、通路から
見ると人ひとりがどうにか
おさまる程度のただの
くぼみにしか見えない。
しかし、こうしてくぼみに
身を隠して初めて、
奥側面が通路になって
いることがわかるのだ。
狭い通路を進むと、
視界が開けて滅多に
人目に触れることの
ない部屋のドアの前にでた。
ここが、姫乃の目的地だ。
古そうな壊れかけた
いくつものくもの巣が、
この扉が何年も開けられて
いないだろうことを知らせる。
それを見ると、姫乃は
悔しくてならない。
このことを知っていれば、
姫乃は地主の愛人となる
決心などする必要が
なかったのに。