モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
二階の階段を上がっていくと、
微かに甘酸っぱい香りが鼻を
くすぐったような気がした。
姫乃の、香りだ。
「…。」
この階は、ノークスの部屋が
あるため、用事でもない限り
凍夜は長くとどまったりしない。
吸血鬼にとって、他の吸血鬼の
寝どこは猛毒に蝕まれた洞穴の
ようなものだ。
例え双子の片割れのもので
あっても、それは変わりない。
以前関わりのあった、
自分たちより長く生きている
吸血鬼の話によると、吸血鬼の
持つ魔力のようなものが
寝床には溢れていて、
本人以外の吸血鬼を
拒むのだそうだ。
だから、自身のものではない
魔力が溢れる場所には、
近寄っただけで軽いめまいを
覚えるし、間違って中に入ったら
最後、数日は寝込む場合が
ほとんどで、体力のないものは
死にかけることさえある。
そんな理由からノークスも
凍夜も、お互いの部屋には
絶対に近づかない。
微かに甘酸っぱい香りが鼻を
くすぐったような気がした。
姫乃の、香りだ。
「…。」
この階は、ノークスの部屋が
あるため、用事でもない限り
凍夜は長くとどまったりしない。
吸血鬼にとって、他の吸血鬼の
寝どこは猛毒に蝕まれた洞穴の
ようなものだ。
例え双子の片割れのもので
あっても、それは変わりない。
以前関わりのあった、
自分たちより長く生きている
吸血鬼の話によると、吸血鬼の
持つ魔力のようなものが
寝床には溢れていて、
本人以外の吸血鬼を
拒むのだそうだ。
だから、自身のものではない
魔力が溢れる場所には、
近寄っただけで軽いめまいを
覚えるし、間違って中に入ったら
最後、数日は寝込む場合が
ほとんどで、体力のないものは
死にかけることさえある。
そんな理由からノークスも
凍夜も、お互いの部屋には
絶対に近づかない。